王の舞の解説
王の舞は、全国各地に広く伝承されている民俗芸能で、この若狭地方には現在、 16箇所の神社に神事芸能として伝わっています。そのうち、9箇所が旧三方郡内に存在します。 このように限られた地域に多数存在するのは非常に珍しいと言われています。 これら16箇所の王の舞は、各神社の祭礼において奉納され、一様に「王の舞」と呼ばれていますが、これらは全て舞い型、 衣裳、舞手の年齢等が異なっています。
なかでも彌美神社の王の舞は、福井県の無形民俗文化財に指定され、毎年5月1日の彌美神社(美浜町宮代)の祭礼に奉納されます。 この王の舞を担当するのは、彌美神社の氏子集落の中でも麻生と決められており、麻生の王の舞と言われるほどです。
この舞は、舞の優雅さ、動作の難しさ、演ずる時間の長さ等の要素から、当地方の王の舞の中では最高のものと考えており、 民俗学関係者、写真家等からも注目を浴びております。 また、この王の舞は5月1日の祭礼が本番ですが、前日や当日の早朝も麻生の八幡神社の境内でも舞われます。