ウインレーシングクラブ 00年産駒

ウインレーシングクラブの00年産の募集が始まりましたが、
昨年の募集を見ても即満口になるような感じではないので、じっくり見定めた方が得策。
パンフを見た感じ、それ程人気を集めるような馬も少なそうなので、大丈夫でしょうね。
今年も例年通り、人気どころの種牡馬を揃え、ウインラディウスの弟や、
個人的に関心があるウインアスティオンの弟が募集されています。
気になったところでは15頭中3頭と牝馬が少なく、最高でも2000万円の募集。
私の全体的な印象はやや苦しそうな感じがしますが、さてどうでしょうか・・・

ソワールムーンの00年産
父コマンダーインチーフ 母ソワールムーン 母父サクラユタカオー 募集価格3000万円
コマンダーインチーフ産駒はじわじわと力を付けていくタイプが多い。
一口向きでは無いことも無いが、クラシックを目指す方にはやや辛いか。
本馬もそれに大きくは違わないのではないだろうか。
前躯のインパクトは足りないが、血統面からこの部分は気にすることもない。
多少時間は掛かるかも知れないが、必ず幅が出て逞しくなってくるはず。
トモに関しては、多少小さく幅も狭い。そんな点から現時点では多少バランス崩し気味。
それら以上に気になるのは繋ぎ。いかにも華奢で心許ない。やや中途半端な印象。
顔に関してはむしろ好印象の部類。評価は高くできず、△の下。
インクワイアリーの00年産
父ダンスインザダーク 母インクワイアリー 母父ダルシャーン 募集価格2000万円
一見、バランスは普通で筋肉質でもない、ごく平凡な牝馬といった印象を受ける。
ただ目立つ欠点もなく、強いて挙げれば非力な牝馬にしては前躯の作りが大ざっぱという処。
胸囲はあるが、それに比べ首差しと前脚とのバランスが悪く、これが見た目の印象を悪くしている。
また、前膊が狭く、脚元の不安はどうしてもつきまとうでしょう。
それ以外は大きな欠点もなく、トモ・後肢の作りは良い出来だし、顔も悪くない。
このくらいの馬であれば評価は△にするが、父がダンスインザダークということで、
このような産駒の方が結果を残している現状を考えると、△の上まで挙げて考える。
エクセレントギフトの00年産
父ダンスインザダーク 母エクセレントギフト 母父シアトルスルー 募集価格1600万円
ダンスインザダークの産駒は、筋肉質の馬がなかなか見られず、総じて華奢。
だがこの馬に関しては、牝馬と言うこともあるのに筋肉質タイプに見え好印象。
顔も良いし、前躯の作りは全く気になる点もなく、むしろ良い出来である。
だがトモの作りに問題があり、この先の成長でもなかなか挽回は難しいか。
あと、前脚も後脚も危うさが拭いきれずこれも少し気になる点。
その2点が改善されてくるのであれば、この評価以上に十分走れる馬体にあると思います。
リーガルジョイの00年産
父サンデーサイレンス 母リーガルジョイ 母父リーガルアンドロイヤル 募集価格6000万円
個人的には募集前から気になっていた馬です。
2つ年上の兄ウインアスティオン(シーキングザゴールド)は、H13年6月現在まだ1勝馬の身ですが、
募集時期から素晴らしい馬体を誇った馬で、今でも非常に印象に残る一頭です。
その弟の父エリシオも評価は多少低くしましたが、しっかりとした馬体を出してきており、
エリシオに父が変わってもこの馬体と言うことで、この馬もまた別の意味で印象的な馬でした。
そんな兄たちの下であり、今回は父がサンデーサイレンスに変わったとあれば気なって当然。
馬体は同時期の兄たちと比べると、多少遅生まれと言うことでまだまだ幼い馬体ですが、
兄同様にしっかりとした馬体で、弱いところは何処にもありません。
ただ、多少胴詰まりに出た事と、鼻の穴が若干小さいことが気になります。
評価的には2つ上の兄よりは下、1つ上の兄よりは上となりましたが、間違いなく走れると判断しました。

その後成長した写真を送っていただきました。2歳の9月時点の馬体です。
気にしていた鼻の大きさは問題無いようです。ただやはり背の方は短めで胴詰まり。
胸囲もしっかりあり、やはり体型的に長いところよりは短いところでしょうか。
特に大きな問題点もなく、上手く成長していると感じます。
ただ飛節がやや小さく少し気になるのですが、骨も今からしっかりしてきますし大きな問題ではないでしょう。
まだまだ馬体が幼いですが、評価通り、この先楽しみが持てる馬だと感じました。

サクラギャルの00年産
父バブルガムフェロー 母サクラギャル 母父ノーザンテースト 募集価格3800万円
脚長で胴もゆったりしてますが、バランス的には問題なく、顔も悪くはありません。
父の実績がまだ出ておらず、どういう馬体が走ってくるのかまだ分からない状態ですが、
バブルガムフェローの産駒にしては胸の深さが無く貧弱。もう少し深さが欲しかったですね。
後、気になるのは脚長で細い脚と、中途半端な長さ・角度の繋ぎ。
いまいち力強さが感じられず、評価を落とす結果となっています。
インヴァイトの00年産
父タイキシャトル 母インヴァイト 母父ビーマイゲスト 募集価格3800万円
デヴィルズバッグの流れなのか、もっさりとした馬体に出てしまいました。
この馬の当歳時の馬体を見たことがありますが、もう少しスッキリとした印象をもっていたのですが・・・
前躯の出来がやはり悪く、これは当歳時と変わってきていません。
トモの方は現時点悪くなく、これは当歳時より良くなってきています。
ただ胴付きの悪さがあり勿体ないですが、これはそれ程大きなマイナスでは有りません。
時間も多少かかりそうです。
プリティハットの00年産
父ピルサドスキー 母プリティハット 母父マグニテュード 募集価格3500万円
バランスもあまり良くなく、全体的に小さくまとまりすぎており、魅力を感じません。
あと、顔も目の付き位置が悪いのか、覇気が感じられません。鼻の穴も小さいのが気になります。
トモも明らかに小さく貧弱で、血統的にこの先どちらかというと筋肉質になっていくと思われますが、
この小ささでは筋肉が付いてきても果たしてどうか・・・
小さくまとまっており、私の印象はあまり良くないですが、それら以外に大きなマイナス点は無く、
時間は掛かるでしょうが、上手く成長することも考えられなくはありません。
ニヤーの00年産
父サンダーガルチ 母ニヤー 母父ノーザンダンサー 募集価格2000万円
今回のウイン募集牝馬3頭の中で、個人的に一番魅力に感じるのはこの馬です。
脚が長く出た割には背が短いところが残念ではありますが、
それでもバランスはそれ程崩してはおらず、他に良い箇所が多くある馬です。
前躯も牝馬にしてはしっかりとあり、形も良いです。後肢の出来も良いですし、トモも幅・長さ共に問題ありません。
首差しから顔が素晴らしく、本馬もやや鼻の穴が小さいところ以外は非常に良い出来です。
この先の成長で背がゆったりし、バランスがとれてくるようであれば、面白い一頭になるのではないでしょうか。

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