GLAY DIVE -GLAY complete BEST OFFICIAL LINERNOTES

GLAY OFFICIAL LINERNOTES of INTOR [All Text by Akira Saeki]

次ぎなる千年記に持ち込むべきSONGS。'90年代中期から後期にかけて
GLAYというバンドは記憶と記録に残る活動をした。
それは、ポップミュージックの歴史の中にあって一瞬の光かもしれないし、
揺るがぬ岩かもしれない。それをはっきりさせるため、あるいはそれがはっきりするには、
この『DRIVE〜GLAY complete BEST』を残しながら、
来世紀にも続行の精神を前駆させる必要がある。
メンバーは「休日のドライヴのお伴になればいい、そんなアルバム」と言うが、
そのさりげなさに前駆(DRIVE)の密やかな精神を汲み取ることは可能である。
あなたはどんなふうに聴くだろうか?

 

Disc-1

01

とまどい(Jet the Phantom)

「HEWVY GAUGE」の内向的なものから突き抜けて"外へ外へっていう意識がある"とTAKUROが語った、GLAY2000年のサマーソング。"汗"と"未来"がどうのように関係しているのか?仰ぎ見た入道雲に古い記憶を蘇らせながら、"僕らのこの先"を探ろうとする曲なのかもしれない。後泰のアンビエント的なパートで、音と一緒になりながら自分の思いを巡らせてみたい。アコースティックギターとキーボード(シンセ)の音の取り合わせが光っている。

02

口唇

GLAYのポップ掌握力とも言うべきが我然アップした'97年5月リリースの楽曲。佐久間正英の効果的なシンセの入れ方も総集編というかおさらい的なもので、そうしていながら、楽曲のうま味ばいささかも逃げていかないのは、GLAYが曲作り、演奏力において腕を上げたからである。曲に加速感が出ているのは、"楽器によるリズムの刻み方と合わせ方"をGLAYが体得しつつあったことを示している。

03

SHUTTER SPEEDSのテーマ

'96年11月発表の3rdアルバム「BELOVED」の4曲目に収録された作曲:JIRO、作詞:TAKUROの手によるナンバー。AメロをJIROが歌いBメロからTERUが歌う、もはやGLAYのステージでは欠くことの出来ぬ曲である。パンク好きなJIROの一面を強く表現していて、それに呼応してTAKUROも洒落っ気混じりに言葉を尖らせているのが判る。"NEWSは奇なり列島縦断LOVER"の一節は、これからも鋭さを失わないだろう。

04

ずっと2人で・・・

人生には一度しか書けないばかりか(厳密に言えば)一度しか歌えないSONGがあると思う。この曲の地に足のついた筆致力については目を見張るものがあり、さらに言えばTERUの声の質感もぴたりと曲に合っている。声も年を取るのであるから、その時期にしか歌えない曲は存在するのだろうし、'95年5月に発表された「ずっと2人で・・・」はそうした類に稀なる幸福な楽曲として今もCDプレイヤーから再生されている。高みとしての"若気の至り"だろうか。"歌い継がれるGLAY楽曲"になっていく気がする。

05

グロリアス

事実上GLAYの突破口になった'96年1月リリースの8thシングル。アルバム「BEATout」の先行シングルになりながら、アルバムに入れるか否かをメンバーが悩んだ曲でもある。6thシングル「Yes,Summerdays」と同傾向に楽曲でありながら、ギターバッキングの絡み方が違うのが面白い。「Yes,Summerdays」といい、この曲といい、スタンダードすぎるとも思える曲をシングルにするのは、何か突破口が欲しかったからだろうと思う。初期GLAYが、その青春的な不器用さを見つめながら飛び越えようとした貴重な1曲。

06

a Boy〜ずっと忘れない〜

アルバム「BELOVED」の発売直前にリリースされた10thシングル。シングルの「BELOVED」と同じくアコースティックギターが優しさと抑制を誘う楽曲である。特にギターソロはエレキとアコースティックが並走しているようで表現が細かい。TAKUROは"憤りの砂を噛み空しさを抱いて寝る"と書いても、そこに「真夏の扉」のような自分内空回り燃焼はもはやない。"失くしてた自分の1/2"といったフレーズを使いながら、袋小路を冷静に見極めようとする精神力を持っているのである。自分たちのピークと対峙する精神力、それは大人への入り口だろう。

07

生きてく強さ

"生きてく強さを重ね合わせ愛に生きる 努力が実ればそうたやすくも迷わない"・・・実に当たり前で簡潔なフレーズを譜割りとメロディにしっかりと合致させ、シンセの軽いバッキング音と太いベース音の対比で聴かせる'95年11月リリースの7thシングル曲。GLAYの進撃はこの曲から始ったと思わせるに足るポップチューンである。2000年のアリーナツアー"HEAVY GAUGE"までライブで歌われていることから、重要な曲と判断できるだろう。日々、自分の力で刷新していくべき深い曲でもある。

08

HAPPY SWING

1stアルバム「SPEED POP」('95年3月発表)の2曲目に収録された曲。実質的なオープニング曲だった。スライドギターとシンセのホーン、そしてピアノがメリハリを付けるように配置されているとことにプロデューサー/佐久間正英の手腕を見る。乾いた疾走感とも言うべき質感を、初々しさの中に見つけることができるだろう。ちなみにGLAYはこの曲のタイトルを自分たちのファンクラブの名前にもしている。ある種の自由さと"始り感"を持っているからかもしれない。

09

彼女の"Modern・・・"

イントロあるいはサビのシャッフル系パンクビートと本編のエイトビートの掛け合わせはGLAYが敬愛していたバンド/BOOWYが得意としていたメソッドであった。それはつまりGLAYがアマチュア時代から練習を積んできたものであり、肉体化されたビート&構成はGLAYを生き生きとさせている。佐久間正英との共同作業第1弾シングル('94年11月発表)でもある。このシャッフル系ビートと"気まずいムードにネガティブな捨て台詞"という一節からGLAYは急速に抜け出して大きくなっていった。

 

10

SOUL LOVE

初期のビートリィ(ビートルズ的)雰囲気満載の佳曲。リズム隊もギターも低域を薄めた小気味よさに満ちており、トップノートに近いコーラスにも胸揺さぶられる。"さんざめく"などと、少し古い文学的形容もスパイスになっている。プロモーションヴィデオで見せた4人の笑顔は、きっとこの曲とともに聴き手の網膜に焼き付いているはず。ポップミュージックの背中にはいつの世もビジネスという単語が張り付いているけど、その中にいるからこそ表しうるピュアネスも、またあるのだ。

 

11

HOWEVER

GLAYの12thシングル。これより3つ前の9thシングル「BELOVED」が書けたことによって、TAKUROが明確なテーマを設定し、「口唇」の熟達度から新しいレゲエ・アレンジにもトライし、楽曲の完成度としては申し分のない1曲。リズム面からのアプローチによって楽曲に対する"詰めの作業"をおこない、そうした作業を施されたシングルが人々の間に浸透することによって楽曲はスタンダードとなるのだ。"絶え間なく注ぐ愛の名を永遠と呼ぶことができたなら"・・・作り手の人生にも聴き手の人生にも、傍らで響き続けるフレーズだと思う。

12

I'm in Love

'98年7月発表の4thアルバム「pure soul」の最終楽曲。総勢27名の友人知人に集まってもらいRECしたこの曲は"人的連結"を音楽表現上において至上のものとするGLAYの本質を具現化したものである。その証拠として、GLAYは「I'm in Love」を、ライブにおいて、コンパクトなアコースティックセットで何万人もの前で演った。小宇宙こそが全てに架かるきざはしであるかのように・・・。個人的には、'98年の秋、ニューヨーク〜JIROのバースディパーティで歌われたこの曲が忘れられない。

TOP

 

Dics-2

01

誘惑

'98年4月、「SOUL LOVE」と2枚同時に発売したシングルのうちの1枚。「口唇」と同タイプの曲ながら、イントロの粘るバンドグルーヴの部分を加えてライヴっぽさを強調している。いわゆるロック的フェロモンを全開させればまずは目的を達成する曲にあって、"時に愛は2人を試している"と苦味の釘を打ち込むところはまさにGLAY流。ギターソロを2分割している部分もGLAYだからこそ自然に聴けるのであって、他のバンドであったら少し不自然に聞こえるのではないか?加えて、こうした色気のあるタイプの曲にTERUのくぐもったヴォイスは、色気を抑える意味でも増幅する意味でも最適である。

02

生きがい

現時点で最新オリジナルアルバム「HEAVY GAUGE」('99年10月発表)の11曲目に収録されたナンバー。イントロのヴィンテージふうギター音と、転調ブリッジ部分のギリギリに張ったTERUの声が、楽曲に深みを与えている。もしも、この曲にテーマがあるとしたら、"過ぎゆく時と自問自答"・・・だろうか?一筋縄ではいかないものに自問し続ける持続力、忍耐。GLAYが大人になったと言うならば、その力が充分に反映させている1曲だろう。

03

ビリビリクラッシュメン

4thアルバム「pure soul」の2曲目に収められていた作曲:JIRO、作詞:TAKUROによるナンバー。「SHUTTER SPEEDSのテーマ」と同じコンポーズペアであることからも判るように、アタック&スピードに溢れた仕上がりである。カッティング的ギターバッキングが同居しているのが新鮮だ。"街に潜むアイツラに躍るヘビーゲージなニュース"という一節に「HEAVY GAUGE」の萌芽を読み取るのは深読みだろうか?

04

BELOVED

'96年8月発表の9thシングル曲。アコースティックギターが、当時急上昇していたGLAY人気をさりげなくたしなめるように響く、GLAYの"真心系"楽曲。初めての武道館公演を前にして、この曲をリリースできた平常心に、当時彼たの底力を感じたものだった。"BELOVED"という言葉はTAKUROをして「20代で到達した最高点にある言葉」と言わしめたほどで、この曲からGLAYはかつてないバンドになっていったのである。

05

HAPPINESS

この曲のイントロギター音もヴィンティージぽく、幸せのブラックホールに引き込まれそうである。ゴスペルふうコーラスの導入も今までのGLAYでは考えなれなかったことである。"幸せについて考えるバンド=GLAY"という図式は、判りやすく不滅なものがる。「しあわせとは何か?」との間に即答できない時期にGLAYが突入したのだとしたら、思考と鍛練の結果、その時期から脱却することも可能なはずだ。後泰のピアノをずっと聴いていたいと思いながら、優れた聴き手は黙考の時間帯へと入っていくのだろう。

06

サバイバル

'99年5月、ヴィデオシングルとして発表された音源。ヴィデオの方は森本晃司が監督を務めた。その年の7月31日に幕張でおこなわれた20万人ライブ〜GLAY EXPOのタイトルにもなった。"どこまでも広がる空に光がさして"のフレーズが、オープエア会場にぴったりだったことを憶えている。時代と向き合う熱量と心意気を端的に表した曲だろう。グルーヴが上昇しながらカットアウトするところも潔い。

07

pure soul

4thアルバムのタイトルチューン。傷つくことが栄光の日々を生むという悲劇を的確に描いた、GLAYらしい曲。"細やかな喜びの為にはいくばくかの情を捨てた時夢を大事にしろよなんていつからか言えなくなっていた"の歌詞には何度となく考えさせられた。自分の仕事や家庭を含む道のりを省みた時、生まれてきた意味に掛ける濃霧が晴れることを願わずにはいられないという普遍さがこの曲にはある。心でも身体でもきっちり解決できないもの・・それを人は魂(soul)と名付けた。

08

BE WITH YOU

'98年11月発表の15thシングル。最初聴いた時は、GLAYの真心系楽曲の中では少しばかり小振りかな?と感じたものの、ステージから放たれるこの曲は「HOWEVER」よりも広がりがあったのにはには驚いた。原因は、錆びの後に残るベース音を筆頭にJIROの弾く野太いベースである。後泰前のサビで聴くことのできるTERUのフェイクも、重要な聴くどころの一つ。

09

Winter,again

'99年2月発表の16thシングル。育った環境を時代に対面する時の精神性にまで高めた"寒くて崇高な"1曲。価値観が多様化し、ルールレスになってしまった1999年に、この曲は晩鐘のように鳴り響た。透明なギター音、遠い笛のようなシンセ、厚い雲から下りてくるイメージのコーラス、リムショット(ドラムス)など、この曲の音使いは全ての必然的だ。転調したパートは"滔々と白い雪は 無常なる人の世をすべて許すように降り続いて行く"という必殺のフレーズを宿し、そこでTERUのヴォーカルはあトップキーへ辿り着くのである。

10

春を愛する人

アルバム「BELOVED」の9曲目に収録されたナンバー「Winter,again」が目の前に降る雪を想起させるのに対し、この曲は雪が止んだ美しい朝を喚起させるのは、♪Sunshine〜で始るから・・という理由ばかりでもあるまし。GLAYの"花鳥風月系楽曲"あるいは"イオン系楽曲"と呼ぶことができるのではないだろうか?"BELOVED TOUR"でこの曲を聴いた時、一瞬会場内の照度が増したようにSunshine的錯覚を引き起こしたのはおそらく僕だけではないはずだ。

11

SPECIAL THANKS

2000年8月リリースの「とまどい」と両A面扱いになったナンバー。チープなグラウンドビートと"そっと置くように"歌うTERUのヴォーカルがイマジネイティヴに響く。Bメロで加わってくるキツめのエレクトリックGと途中でウネるベースは、回想から現実に引き戻す効果をもたらす。僕たの未来はもはや計測不能は痛みを伴うものになると推定されるが、その痛みを和らげてくれるのは宝物としての過去であると歌われているのかもしれない。

 

12

Missing You

オーケストラからアコースティックギターとベース、イコライジングされたヴォイス〜Aメロ、Bメロ、そしてサビと性格の違うパートが1曲になったいると思わせる最新シングル。渾沌あるいは秩序ではなく、渾沌と秩序という2つの相反する要素を的確に1曲の中に表現しえたことは、来世紀への誘導糸になり得ないだろうか?冬の厳しさと暗い深さを、雪の美しさ、ある種の温かさと抱き合わせながらGLAYは来たるべき次ぎの時代へと進んでいく。

TOP