いざ小倉競馬場へ!
2004年2月 コーラルレッドの応援に小倉まで家族で遠征した話です。
私が社台で初めてとなった出資馬、コーラルレッド(フジキセキ×ターキーレッド)を応援するために、はるばる小倉競馬場まで家族で出かけたお話です。あわよくば口取り狙い。(笑)金曜日の夜に出発し、その晩は車中泊。小倉入りし、小倉で2日間のホテル泊。月曜日に帰って来る。大まかにはそんな予定でした。 2月6日 残業などもちろんせず、会社も早々と退社。帰宅するといくみんすでに出発の準備万端です。さすが。 車に子供といくみん就寝用の毛布・布団を数枚積み込みます。「毛布は多いに越した事無し」は前回の北海道旅行で体験済み。予定より2枚ほど多めに詰め込みました。なんせ2月ですもの。一応下の子は9ヶ月・・・。 さあ、旅が始まります。今日は車で出発し、中国自動車道を通って山口県くらいまで行き、どっかのサービスエリアくらいで車中泊出来れば・・・と、その時は簡単に考えてました。(甘い!)19時過ぎに出発。1時間もすればひとまずの目標、福井県の小浜西ICに着きます。そこからは小倉までひたすら高速道路です。 出発から30分程行ったとき、私は忘れ物に気が付きます。「あ!ネクタイねぇ・・・」 口取りに出るのにネクタイは必須です。スーツは積み忘れないように・・・と思い過ぎたのかすっかりネクタイの存在を忘れてました。形だけで良いから・・・と、途中のディスカウントストアによって安いネクタイを購入。500円也。出発から30分でいきなり躓きました。使用しない可能性大のネクタイをわざわざ購入しなければならないとは・・・不覚なり。 気持ちを切り替え、小浜西ICから舞鶴若狭自動車道をひた走りました。余談ですがこの自動車道、高速道路とは名ばかりでほとんどの区間1車線しかないんです。普通の道路のように、すぐ隣の対向車線には100キロ以上でぶっ飛ばすトラック等が通ります。怖すぎです。 舞鶴若狭自動車道を走っているとき、いくみんと今後の道筋について話し合います。 た「小倉行くには中国自動車道か山陽自動車道があるけど、どうする?予定通り中国で行くか?」 い「どうちがうの?」 た「山陽は交通量が多い。中国は少ない。けどひょっとすると雪降ってる可能性があるらしい。」 い「どっちでも良いよ。」 た「ほな、中国で行こか。車少ない方が良いもんな。雪降ってても大したこと無いやろ。」 そんな簡単な感じで中国自動車道に決めたんです。これが大きな間違いでした。 吉川JCTで中国自動車道に乗り換えます。岡山県までは順調でした。予想通り交通量も少ないです。 しかし広島県に入ったくらいからチラホラ雪が舞い始めます。福井県出身の私達は多少の雪にはへこたれません。特に私は福井県も田舎の育ち。こんな雪屁でもありません。 しかし広島県の三次ICを超えたところから次第に雪も本降りになり、道路も真っ白。ひどい所では15cmほどの積もってます。私へこたれました・・・。この辺りになると本当に交通量が激減し、1時間に1台位にしか遭遇しません。中国道は寂びれてます。道路は新雪状態。センターラインも見えません。ど真ん中の超低速走行です。 2月7日 高速道路を走っているのに超低速走行の為、この時点で予定時刻を大幅に上回る3時過ぎ。予定ではとっくの昔に山口県です。この時刻、当初の予定ではどこかのSAに寄って、私は車外で寝袋、いくみんと子供2人は車中で寝ることになっていました。しかしこの豪雪の中、寝袋で寝たら私は間違いなく死にます。子供達だけでもしっかり寝かせるようにと、後部座席をフラットにし2人を寝かせました。どうせ車もほとんど通らない超低速ど真ん中走行です。眠い目をこすりながら私達大人2人は仕方なく車を走らせます。予想外に徹夜です。本当にふらふらになりながら、山口県の下関に着いた時は朝の7時でした。この時点で2人で約12時間、運転しっぱなし。個人的に徹夜はよくしますが、雪道に気を使いながらの長時間走行での徹夜は本当に応えます。 結局、そのまま小倉競馬場入り。今度は予想外に早く9時過ぎには競馬場に入ることに。(苦笑) まぁ、前日に出走表を見たら、みずきさんの持ち馬が1Rと5Rに走るという事だったので、もともと早めに入るつもりではいたんですけども、徹夜で入るとは・・・。しかも1Rに間に合うようにと9時過ぎに入ったのに、雪の為1時間遅れて1Rスタートです・・・。初めて小倉競馬場に来たのにそれどころではありません。頭ふらふらです。しかも子供は元気元気。1Rが始まる前から私達は大人2人はギブアップです。そんな状態で競馬に身が入る訳もなく&予想が当たる訳もなく、小倉競馬場での初日が過ぎて行きました。 小倉競馬場を後にし、ヘトヘトになりながら(懐も)予約していたホテルを目指します。貧乏旅行に相応しい1人1泊2900円の格安ホテルです。地理関係が全く分からない小倉の地を、地図を頼りに何とか到着。疲れ切った体で引きずりながら受付へ。 た「すいません。予約していた(たかぼー)です。」 受「・・・えー・・・(たかぼー)様・・・ですね・・・。いつも泊まられてる(たかぼー)様では無いですよね?」 た「(何を訳の分からんことを)初めてです。」 受「・・・すいません・・・ご予約承っていないようなのですが・・・。」 た「(まじ?)あの〜、電話で予約したんですが・・・間違いなくココです。」 (その後、何だかんだと話し合いが続き・・・) 受「・・・こちらの受付ミスのようです。ですが、ただ今シングル1部屋しか空いていない状態で・・・」 い「シングルでいいです。4人でも大丈夫です。とにかく寝れれば良いです。」(←かなり疲れてる様子) 受「6畳の部屋ですが・・・。大丈夫ですか?」 い「大丈夫です!」 受「とりあえず今日はそのお部屋で。明日は御用意出来ますので。すいませんでした。」 その後、一度はシングル部屋に案内されるものの、ホテル側のはからいでなんとか部屋を用意してくれました。しかも御迷惑をおかけしたという事で1割引に。2日間宿泊で大人2人で1万962円也。う〜んラッキー。 その後はぶきぶきが好きな新幹線のひかりレールスターを見に小倉駅へ。ラーメンを食べその日は泥のように眠りにつきました。明日はいよいよコーラルレッド出走の日です。 2月8日 昨日の小倉競馬場の印象は凄く綺麗。ゴミが落ちてない。京都や阪神のように平気でゴミを捨てる人が少ない。(←小倉の人々最高)凄く狭い。また凄く人が少ない。と言うかガラガラ。こんな少なくて良いの?って思うくらい。そんな印象でした。 「さて、出番があるんでしょうか?」とつぶやくいくみんの声を聞きながらスーツを着て、行きしなに500円で買ったネクタイを締めます。コーラルレッドは3Rの未勝利戦に出走です。そんなに急がなくても十分な時間があります。昨日の印象からも、十分駐車スペースは余ってるだろうと高を括っていたのですが、まだ9時になったばかりなのに昨日とはうって変わってごっつい人。駐車スペースなどもちろん無く、競馬場は遠くなったが何とか民間の駐車場へ。小倉の最終週で武豊・ペリエ・藤田など凄い騎手が揃っていると、こんなにも人の入りが違うの?と思うほど凄い人でした。 1・2Rはパス。3Rにすべてを賭けます。前日、いくみんに話をしていました。明日のコーラルレッドは馬体重がすべてだと。体重が減っていなければ話にならんと。でも西浦調教師はずいぶん前からココを目標にして来た訳やし、間違っても増えてる事は無いやろ、と。2Rもまだ終わっていない時に私はパドックの電光掲示板を見つめます。映し出されたそこにはコーラルレッド478キロ(+8)・・・。Why?増えてんジャン!そこからは沸々とやり場の無い怒り・・・。おっさん、今まで何しとったんじゃ・・・前走太かったから負けたんちゃうんけ?長距離輸送して何で増えてんのじゃ。わざわざ1ヶ月以上間隔空けて、このレース目標にしてなんで増えとんのじゃ。おめぇ、こっちはふらふらになりながら12時間以上運転して来とんのじゃ。しかもスーツまで着てる。わざわざネクタイも買うたねんぞ!(500円也)頼むわぁおっさん・・・。(泣) パドックに姿を現したコーラルレッドは見事に太め。「こりゃあかん・・・。」写真を撮りながら私は何度もコーラルレッドに呟きます。君は何故8キロも太っちゃったの?と・・・。パドックを見終えた後、別れていたいくみんと再会。 た「あかんな・・・。3番っぽいな・・・。」←ペリエ騎乗の1番人気馬 い「うん、3番っぽい。」 返し馬を見終えて、すっかり自信を無くした私は一応馬券を買います。コーラルレッドの単勝100円・・・。バリバリ弱気です。 ゲート入りはスムーズです。スタートも良く、前走でも見所のあったダッシュ力を利かせて先団に付けます。デビュー先は逃げましたが、小倉の芝状態や今後の為にも私は先行してくれた方が良いと思っていました。本田騎手は上手くなだめて乗ってくれています。3コーナーでは手応えも良く、芝状態の良い外へ持ち出します。一瞬希望が見えましたが、直線では思った以上に伸びず離された4着。(1着はペリエの3番の馬)さすがに20キロ近いおもりを背負っていては伸びるものも伸びません。本田騎手は上手く乗ってくれました。全く文句はありません。やっぱりこの人は上手いです。今後もこの人が乗ってくれれば良いのですが・・・。コーラルレッド写真へ (その後、帰ってから公式HPで敗因を確認しました。西浦調教師は「レース間隔が開いた分、少し太め残りでした。最後伸び切れなかったのはその辺りもあったかもしれませんね。」と言っていたそうですが・・・私に言わせりゃ、はぁ?って感じです。少しどこちゃうやろ?でぶでぶやん!前走後もまだ絞れそうな体型ですって認識してたやん。どないなっとん?しかも次走は2月22日京都ダ1200mを予定って・・・?何のためにわざわざ小倉の芝レースを1ヶ月以上も待ってたの?ダ1200m戦ならこっちにいくらでもあったやん・・・。解からん・・・。理解不能や。今まで嫌いな調教師ではなかったけど、今回の件でかなり不信感たっぷりや。ほんま頼むで!しかしダート戦は賛成よ。) スーツをを着て準備万端の私でしたが、+8キロですでに弱気になっていたのでそれほどショックもなく。それより、さてスーツどこで着替えよ・・・。と、そっちの方が気になってました。スーツで馬券なんて集中して買えませんもん。着替えを持って来ていたんですが、こんなに人が多いと着替える場所に困ります。結局4Rがスタートし、みんなの目線がコースに向いてる途中に着替える事にしました。(4Rは)芝2000mあれば着替えるのなんて楽勝です。が・・・レース始まってるのに何故かウロウロしてる人一杯居るんですね。消えてくれ〜とズボンのチャックを下ろしつつ、去るのを待ちまずが駄目。館内に流れる実況ではもう3Rを周ってます。このタイミングを外すとゴールした瞬間に館内に戻って来る人たちにMyパンチーが丸見えです。えいや!っと、その時近くに居た綺麗なお姉ちゃん含め数人は、私のパンツ姿が拝めたはずです。おおラッキー!最近は恥ずかしさが無くなって来て、かなりオッサンになりつつある私でしたが、これはさすがに恥ずかしかった・・・。 結局その日の収支はトントンで、前日の負け分がそのまま小倉競馬場での収支となりました。 この日もホテルに帰ってからぶきぶきの時間です。小倉駅に今度は特急スーパーソニックを見に行きます。その前にちょこっと立ち寄ろうとした新幹線のホームに向かうエスカーレーターで、その場の雰囲気に似合わない3人が私達の前に乗っていました。中心人物らしい1人は全身黒尽くめ。皮パンに皮のコート。茶色のサングラスに金髪。一瞬その身なりからバンド関係の人かな?と感じましたが、よく見るとどっかで見たような顔です。いくみんは全く気が付いていません。ツンツンといくみんをツッツキ小声で喋ります。 た「藤田や・・・。」 間違いありません。その黒尽くめの人物はさっき小倉競馬場で騎乗していた藤田騎手です。さっき小倉大章典をメイショウバトラーで逃げ切った藤田騎手がそこに居ました。とりあえずいくみんを撮る振りして写真を撮っておきます。残りの2人はよく分かりませんでした。でも多分、野元騎手と柴原騎手かなぁ・・・と。特に柴原騎手は自信有りません。藤田騎手と野元騎手と思われる人物は、周りから見るとかなりワルっぽいです。とても普通の人が喋れる雰囲気にありません。タバコもパカパカ吸い、いくみんはかなり印象を悪くした様子。私は元々そんな印象があったのでそれほど気にしませんでしたが(個人的に騎手しては凄く信頼出来る数少ない一人です)、初めて間近で見る藤田騎手の印象は、外見は派手だが小っちゃいオッサンです。本当に間近で見ると小さかった。待っていたその新幹線は博多行きです。なぜ本州と反対方向に向かって行くのかは知りません。が、大方博多の町に女遊びに行くのでしょう。話していた内容からもそんな雰囲気でした。藤田騎手は別としても残り2人の身なりからして、騎手という職業はそうとう儲かるんやなぁ・・・と感じました。 2月9日 朝、ゆっくりと朝食をとり、福井に向け出発です。 今回は絶対山陽自動車道です。中国自動車道なんて通るもんじゃありません。迷う事無く山陽です。 道中長い道のりも楽しんで帰らな損!という事で帰りは大体60キロ間隔で点在するSAにすべて寄って、そのSAの名物を食べ歩きして帰って来ました。道中はさすが山陽道、大きな障害も無く、スムーズに帰ってこれました。小倉を出発したのは8時過ぎ。福井に着いたのは20時過ぎでしたので、結局帰りも12時間ほど運転していたことになりますが、気持ちが全然違います。おいしい物を食べ歩いて、スムーズに高速道路を高速走行して帰ってこれたのですから。何度も睡魔に襲われ、雪道で気を尖らせ、ノロノロ走って来た中国自動車道とは全然訳が違います。山陽道サイコー!(笑) コーラルレッドを応援するためにわざわざ小倉まで遠征した今回の旅。負けはしましたが、それなりの動きは見せてくれました。これからも堅実な走りを見せてくれそうです。またずいぶん長い道のりでしたが、なんの事故も無く帰って来れたのは本当に良かったです。今回の車中泊は不発に終わりましたが、今年の7月に予定している北海道旅行では成功させます。次の北海道には必ず使用するからな、と今回一度も開かれることの無かった寝袋君に言って今回の旅の話を終わりにします。(笑) 完 |