北海道珍道記!?
2004年5月21日 会社の慰安旅行を抜け出してまた愛馬に会ってきました。
なぜか恒例のようになってきた、「会社の慰安旅行抜け出し&愛馬に会う!」を5月21日に実行しました。 なぜあんたの会社の慰安旅行は北海道ばかりなのか・・・。不思議に思っている人も居られるかもしれませんね。それはですね、慰安旅行先決定会議の数日前から私が先輩・後輩数人に入念な裏工作をするからなのです。(笑)ここが腕の見せどころなのです。皆を北海道に行きたい気分にさせるんです。それで大抵多数決で勝てます。(笑) こんな機会じゃないとなかなか北海道には行けないですから!という事で今年もめでたく北海道に決定!(さすがに5年間で4回の北海道で、上司連中の抵抗も強く、愛馬に会いに行くにはちと厳しい登別温泉で1泊という条件付になりましたが・・・。) さて、その日からというもの、北海道にいる愛馬(ユーロスター)に会うべく登別温泉から社台ファームまでの交通手段を探すのですが、これがなかなか難しいのです。ローカルすぎて電車の待ち時間が2時間以上空くなど、せっかくの時間を有効に使えないのです。そうこうしているうちにあっという間に出発日の前前日です。 途方に暮れていたところ、掲示板に「自分も21日にレンタカーを借りて社台ファームに見学に行きます。都合が合えば乗っていきますか?」との書き込みです。おお!これぞ天からの贈り物! 尻尾を振って飛びつきます。(笑) えどさんからでしたが、もちろん面識など有りません。 ですが、本当に困っていたのでお願いすることにしました。 えどさんは男2人で21日から数日間、レンタカーに乗り北海道の牧場を見学して回るのだそうです。 とりあえず21日の11時半に新千歳空港で待ち合わせという約束をメールで交わし、夜勤が明けた20日朝に私は北海道に旅立ちました。 いくみんに「相手は2人だ。拉致されたら子供を頼む。」と言い残して・・・。(笑) 5月21日 登別温泉で朝目覚めると外は雨。う〜・・・牧場見学日和・・・。なんてったって台風です。そう、台風が接近していたのです。直撃は避けられましたが、雨の影響は避けられませんでした。えどさんが乗る飛行機が飛ぶのかどうかも怪しかったんです。心配しながらホテルの朝食バイキングを後輩と食べているとえどさんから携帯に連絡が入りました。 飛行機とりあえず飛ぶそうです。ふ〜、これで一昨年の様な往復4時間の過酷な歩きはしなくても済みそうです。(笑) ホテルのフロントに聞くと、新千歳空港行きの無料シャトルバスがホテルから出ているようです。 大体1時間10分くらいで登別温泉から空港に着くようなので、待ち合わせの時間にもぴったりです。時間も少し余裕が出てきたので、とりあえず一応観光もしておこうと徒歩20分ほどの所にある登別温泉の観光地地獄谷に後輩を誘いますが、「この雨の中イヤです。寝てます。」と呆気なく断られ一人で出発。ま〜たいがい観光地なんてところは「・・・こんなもんか。」と思うもんですが、ここは大体想像通りで悪くなかったですね。雨の中を歩いて観光したのは損ではなかった感じです。 ホテルをチェックアウトし、会社の他の人達が札幌行きのバスに乗り込む中、私は新千歳空港行きのバスに乗り込みます。なぜか大型の観光バスに1人です。ポッツーン・・・。なんて贅沢で寂しいのでしょ。(苦笑) バスに揺られること約1時間程した時にえどさんから連絡がありました。すでにレンタカーを借りて空港に待機中とのこと。バスの運ちゃんに風車ムチをいれ、ようやく新千歳空港に到着です。到着時刻は11時10分なり。 そしてレンタカー受付場所の前でえどさんを待ちます。そしてそこに現れたえどさんは背の高いナイスガイでした。簡単に挨拶を交わし、レンタカーに案内されます。車の中にはもう1人居られます。恐る恐る車に乗り込み、その方とも挨拶を交わします。私よりやや年上のその方は、「○○です。って言うかメテオールです。って言った方が良いのかな?」と明るく話してくれました。でもなんとな〜く、その名前には聞き覚えがあったのです・・・。(苦笑) メテオールさんは言いました。「以前、馬体診断してもらったことあるんですよ。」と・・・。 後部座席に倒れ込みましたね・・・。もう車は走り出してます。逃げられません・・・。 で、恐る恐る診断した馬の名前を聞きました。「キタノスザク(キタノオゴジョ02)です。」 ・・・・・・・・・・・び・びみょ〜・・・(苦笑) でもウインクリューガーとかマイネルブルックとかじゃなくて良かった・・・。 「ザッツザプレンティです。」なんて言われたら日には、 私をこのだだっ広い北海道のど真ん中に捨てて行ってください・・・。(泣) って感じです。(苦笑) えどさんも以前診断依頼して下さった様です。恥ずかしいったらありません。(笑) さて、前置きが長すぎましたが、ようやく牧場見学開始です。 まずはえどさんの出資馬をロイヤルファームに見に行きます。シルクホースクラブの所属馬でカウントオンアチェンジ02です。父はタイキシャトルで、この馬はロイヤルファームの期待馬とのこと。脚元に熱があったらしいですが、行った時には「もう心配無い」と仰っていました。この馬は確かに良い馬に見えました。この馬を見てしまったもんで、やっぱりタイキシャトル産駒は良いなぁ・・・・と再認識。シャトル産駒欲しくなりました。(苦笑)本馬は5月23日とやや遅生れですが、短いところで活躍してくれそうです。えどさんはこの馬が走らなかったら困るそうです。(笑) その後はロイヤルファームのオーナー?に教えて頂いたゴルフ場のレストランで昼飯。 次の予定である社台ファームの見学は14時からなので時間は十分です。余裕ぶっこいて3人でのんびり喋ってました。 13時30分くらいに出発したでしょうか?15分くらいで到着予定だったのですが、結局社台ファーム着いたのは14時を過ぎちゃってました。(笑) あまりにも広すぎるもんで社台ファームに着いてからも軽く迷子になってましたしね。私は一度行った事があるにも関わらずです・・・。(苦笑) 社台ファームの事務所でくつろぐえどさんとメテオールさん。アンドレにも会いました。→ 車で案内されてまずはえどさんのエスカビオーザ02を見に行きます。 エスカビオーザ02はキャロットの募集馬で遅生れを考慮され800万円募集の牝馬です。 6月4日の遅生まれをえどさんも気にしている様子でしたが、社台ファームの方はこう言っていましたね。 「遅生れになるという事は種付けする時点で分かってることです。逆の言い方をするとこの血統・配合であれば遅生れでも十分に勝負・商品になる、という事で種付けする訳です。そういう意味ではウチ(社台ファーム)で生まれる遅生れは期待されて生まれてきている訳です。」 なるほどなぁ・・・と思いましたね。ただウチ(社台ファーム)で・・・というのがポイントです。他の零細牧場ではこうは行きませんよね。大手牧場の生産馬の遅生れに関してはそういう見方も出来るという事です。 さて、エスカビオーザ02の厩舎に案内された時に私たち3人は言葉には何も出しませんでしたが、3人共にかなり緊張していたはずです。なぜならそこに思いも掛けず社台ファーム総帥がいたもんで。(笑) エスカビオーザ02に関して照哉さんは「この馬は遅生れだったなぁ。」とか何とか言っていました。何百頭も管理してるのに覚えてるもんなんですね。ちょっと驚きです。緊張気味の私達に照哉さんは「一緒に写真撮らなくていいの?撮ってもらい。」と言ってくれ、「せっかく雨の中来てくれた事だし、俺も入らせて貰おうかな。」と一緒に写真撮影。ちょっと嬉しかったですね。(苦笑)写真はエスカビオーザ02が引かれて来るときの写真。 右端の人が照哉さんです。一緒に写真撮影をしている時に照哉さんは言いました。 「走らなくても俺のせいじゃないよ!(笑)」 次は私の出資馬、ユーロスターです。(これがその時の写真) 調教主任さん曰く、「ジョリーザザという馬こそ名牝」だと言ってましたね。 「だって最初のなんだったっけ?そう、ユーロウインドなんてこっちに居たとき犬かと思ったもん。犬。あれが走っちゃうんだからなぁ。ああいう馬こそ名牝だよ。でも今度付けたのサンデーサイレンス(ジョリーザザ03)だぜ。タイムパラドックスが走ったもんだから色気出しちゃって。ダメだよ、あの繁殖にあんなハイカラなの付けたら。(笑)」ですって。(笑) ユーロスターの馬房は厩舎の一番端っこです。案内してくれた人の話し振りからも期待されているのが分かります。私の第一印象は、募集時期とあんまり変わり栄えして無いなぁ、です。成長して全体的にそのまま大きくなった感じ。脚が短めでどっしりした体型。(帰ってからいくみんにも「短足やね。」と言われていました。自分を棚に上げてね・・・。)でも顔はグラスワンダーによく似てます。目の前に引かれて来たユーロスターはチャカつく事もなく大人しいもんです。これは好印象。 気性はどうですかの問いに、「全然問題ないですよ。大人しくて手が掛かりません。」 芝とかダートとか分かります?との問いには、「う〜ん、ダートですかねぇ。でも芝もこなすと思いますよ。この馬スピードありますしね。クロフネなんて見てても最近はそうでしょ?スピードある馬はダートも芝も走るんです。人間だって足の早い奴を砂浜で走らせたって早いでしょ?スピードのある馬に適性なんて関係ないんですよ。函館のように余程深いダートじゃなければ問題ないと思いますよ。今は速いところを乗って楽をさせるの繰り返しです。順調ですし、この分なら松田先生、札幌でゲート試験受けて一度走らせるかも知れませんね。」との事。 思ったいたより早めの使い出しになるのかも知れません。これは嬉しい誤算です。 クラシックとかは自分の印象とちょっと違いますが、ダートでも芝でもいいので、とりあえず丈夫に長く、出来ればタイムパラドック並みに活躍して欲しいと願っています。(笑) あと種牡馬グラスワンダーについては、「良いと思いますよ。スピードありますから。勝負根性なんかは遺伝なんて関係ないですけど、スピードだけは遺伝に頼らざるおえないですからね。最近の種牡馬で成功しているのはスピードのあった馬ばかりでしょう。」と、思っていたより良い返答。やっぱり最近の日本の競馬ではスピード能力を遺伝させる種馬しか成功しないのかもしれませんね。そういう点からはダートでのみ戦績があった馬は種牡馬として辛いという事になるんでしょうね。 これで社台ファームを後にすることになるのですが、案内してくれた人が言っていた印象的な話しを少し。 「この前、ビックレットファームに4班に分けて見学しに行って来たんですよ。なにかとハードな調教が取り沙汰されているところですが、それよりも何より一番他と違うところは飼葉をめちゃくちゃ食わし込んでるところです。凄い量を食べさせてますよ。やっぱりあれだけ食わせないとあれだけの調教に耐えれないんですね。他には何も変わった事して無いんですけどね。いや〜、勉強になりましたわ。」と言っていた事です。その話を興味を持って聞いていた訳ですが、何よりも勝ち組である社台ファームがビックレットファームを見学しに行っている事に驚きましたね。競馬界のトップ同士が切磋琢磨し、また手の内を見せてお互いに向上しようとしてる訳です。トップであり続ける所以がここにある気がします。またその人を含めて周りの人たちの雰囲気が良いんですよね。馬の仕事が好きなんだろうなぁ・・・と感じました。確かに育成施設も充実してるでしょうが、決してそればかりではないんですよね。トップに立つべくして頂点に居座り続ける社台ファームを肌で少し感じる事が出来ました。 あとはアルゼンチンの馬に関してです。社台募集馬の中でも、アルゼンチンから来た繁殖牝馬の名前をよく見かけますが、アルゼンチンはグラウンドに砂をまいた様な競馬場らしいです。ですからそこで成績をあげて来た馬というのはスピードがあり、何より丈夫という事らしいです。逆にそういう馬で無いとやって行けないそうです。今後、アルゼンチンの血が血統表に見える募集馬にはそういうアプローチも有りという事ですね。 社台ファームを後にした私達一行はノーザンファーム空港牧場へと向かいます。 社台ファームに続いてノーザンファーム空港牧場に向かう道でも迷子になりました。(笑) ノーザンホースパークのすぐ横なんですね。(すぐ横と行っても北海道ですのでかなりあるんですが。) ノーザンファーム空港牧場で受けた印象なんですが、ここは社台ファーム違ってちょっと事務的な雰囲気。偶々でしょうか?周りの人たちもあまり喋らず、明るい雰囲気は感じなかったです。う〜ん。 ここではえどさんの出資馬のヴォークリンデ(Singspiel×ホワイトトルネード)とシューブラック(フジキセキ×ダディーズシューズ)を見学。あと出資を検討しているビワプランサー02(フジキセキ)・レインボーファスト02(フレンチデピュティ)・キューティーリサ02(バブルガムフェロー)を見せて頂きました。 まず初めに見せていただいたのがヴォークリンデ。骨折後の休養中ですが、綺麗な馬です。 えどさんの出資馬ですが、メテオールさんも「綺麗な馬でしょう?」とお気に入りな様子。 自分の馬体診断でも高い評価をしていた馬で気になっていたんですが、まさかこんな形で逢えるとは思いも寄りませんでした。えどさんもこの馬にはかなり期待している様子。早い復帰を期待しますが、牧場さんの話では今年の秋以降との事。ただ幸い(?)にも骨折箇所は綺麗に割れていたという事です。素質馬との事ですから焦らずじっくり治して貰いましょう。 次のシューブラックはえどさんもメテオールさんも、なぜか笑いながら「一見の価値あり!」という事で元々変な(笑)期待はしていたのですが、結果個人的にちょっと気に入ってしまいました。(笑) シューブラックは近親にダイナマイトダディやサクラユタカオーがおり、兄弟にダディーズドリームと筋が一本通った良血馬です。でもこの馬の何が凄いって、とにかくデカいんです。600キロ超えているそうです。その分やはり脚元が苦しく、3歳となった今でも脚元との闘いだそうです。それでも私がこの馬を気に入ったのは、太いから体重が600キロもあるのではなく、スッキリとした馬体にも関わらずデカいからなんです。(笑)本当に馬体の造りはスッゴク良いんですよ。この馬に関しては正直勿体ないなぁ・・・と思いましたね。デビューが待ち遠しい一頭です。えどさんに、「シューブラックって名前、格好良くていいですね。」と言ったら「でも靴磨きなんですよ・・・。」と嘆いてました。申し訳ないですが、笑ってしまいました。(笑) 残りの3頭はえどさんが出資を検討している馬たちです。 ビワプランサー02を見せて頂きましたが、正直、シューブラックを見てしまった後なもんで目がおかしくなっていて・・・。(笑)なんだか見栄えしない馬に見えちゃいます。体重を聞いたら「えーっと、98キロくらいかな。」と言うんです。メテオールさんも自分も398キロと勘違いしたほどです。実はこの馬も498キロあったんですよ。シューブラック恐るべし・・・です。(苦笑) レインボーファスト02はフレンチの仔ですが、思ったほどフレンチフレンチしていません。 えどさんもそこが気になって候補にしている様でした。 今後、どの様に変わって来るかがこの馬の見所です。私には分かりません。(笑) キューティーリサ02は皮膚病も出ていて全く見栄えがしない馬でした。 この馬に関してはえどさんはしきりに前から馬の脚を見ています。どうも前脚がどちらかに曲がっているようです。馬体の面からも正直、手が出し辛いと思う馬でした。ま、私の予想など当たりませんがね・・・。(笑) これで今日の牧場見学予定はすべて終了。 御2人は今晩、小樽で宿泊するという事で、図々しくも私もそのまま札幌駅周辺まで乗せて行ってもらっちゃいました。当初予定していた汽車賃がだいぶ浮いてしまいました。本当に有難かったです。と同時に申し訳なく・・・はい。(苦笑) 2人は次の日からメテオールさんの愛馬見学に、日高地方を行くという事でした。私も時間が許すならこのまま付いて行ってしまいたいところでしたが、私には幹事としての大事な役目があります。(金を払うだけ・・・)泣く泣く2人と別れました。(笑) (この後のえどさんとメテオールさんの珍道中はメテオールさんのHPで訪問記を見る事が出来ますので、そちらで確認して見てください。色々な馬やそれに関わる牧場の人に逢ったようですよ。) 札幌までの車の中でも血統通のメテオールさんの話が聞けたり、えどさんの1ヶ月間にも及ぶヨーロッパ滞在記などを聞かせて貰い、本当に大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。 新千歳空港で逢うまでは、どんな人が来るんだろう・・・と少し心配でしたが、さすがに拉致される事もなく(笑)、牧場見学を満喫する事が出来ました。元々はユーロスターを見るだけで終りだったはずの私の牧場見学を、こんな有意義な時間に変えてくれた御二人に本当に感謝しています。ありがとうございました。 また機会があれば是非御一緒したい気分です。また行きましょう! 余談ですが、2人と別れたその夜、私は札幌のコンビニでギャロップから出ている「丸ごとPOG」という雑誌を購入しました。さっき逢ったばかりのユーロスターの馬体写真を見たかったからです。 次の日、帰りの飛行機内で見ていたら気になる馬たちの馬体写真が多く掲載されていました。私が本気で欲しかった(笑)サムライハートなんてめちゃめちゃ格好良く撮れてます。これはマジで走りそうです。シェイクハンド02なんかも良いですねぇ。注目です。さすがSS、良い馬たくさんいるな〜、なんてページをペラペラめくってるうちに最終ページ辿り着き、ふと気が付きました。ありゃ? ユーロスター・・・・・出て来ないし。(泣) 最後まで御付き合い下さりありがとうございました。宜しければ励ましクリックお願いします。→mobit |